子どもの心にとどく声かけ術 ♯2

「ママのお話し聞いてる?」「さっきも言ったよね?」

何度言っても伝わらない、効果的な声かけが知りたい、なんてお悩みを抱えるママやパパは多いはず。そんな悩みをかかえるママやパパにとって、本記事が少しでもお力になれますように。

理学療法士と上級心理カウンセラーの資格をもつ筆者が、全3回に分けて「子どもの脳と心にとどく声かけ術」について解説していきます。
本記事は、第2回「5つの運動原則を活かした声かけ」についてのお話です。

理学療法士が学ぶ「効果的な運動のための5原則」は声かけ術の極意なのです!
言い換えるならば、5原則はゲームにおける攻略法です。
そして、紹介する攻略法は今日からできるものばかりです!

子どもの心にググっととどく声かけとはいったいどんなものでしょうか?

この記事が子どもたちへの声かけに悩むママやパパのヒントになりますように。

運動の5原則

まず、効果的な運動(声かけ)のための5原則を簡単にお伝えしていきます。

✔ 意識性の原則:目的を理解して取り組む
   →理由や目的を子どもが理解できるように伝える

✔ 全面性の原則:バランスよく鍛える
   →結果だけを評価するのではなく、プロセスを丸ごと認める

✔ 専門性の原則:目的に合わせて選ぶ
   →「すごいね」「上手だね」と抽象的に褒めるのではなく、具体的に伝える

✔ 個別性の原則:子どもに合った方法で
   →兄弟や周囲の子と比較せず、その子自身の特性に合わせて言葉を選ぶ

✔ 漸進性の原則:段階的に進める
   →最終ゴールをいきなり要求せず、小さな目標を提示する

次のステップでは、それぞれの原則について深堀していきます。
日常生活でありがちな声かけも取り上げていきますのでぜひチェックしてみてください!

意識性の原則 =意味・理由の言語化

脳の前頭前野(思考や理性を司る部位)を刺激します。
指示に従うだけの受動的行動から、自分で納得して動く能動的行動に切り替えます。
ドーパミン(快楽物質)が分泌され、自発性と学習効率が飛躍的に高まります。

「お片付けなさい!」

「おもちゃを箱に戻すと、遊ぶときにすぐ見つかって嬉しいね」

「ダメ」「早くして」ではなく、理由や目的を子どもが理解できるように伝えることがポイントです。

全面性の原則 =多角的なアプローチ(心理的安全性)

子どもの脳の発達には、心理的安全性が不可欠です。
プロセスや存在そのものを全面的に肯定されると、脳内でオキシトシン(幸福ホルモン)が分泌されます。これにより不安が消え、脳全体のネットワークが活性化し、結果として学力や運動能力などの特定分野も伸びやすくなります。

「テストで100点取れてえらいね!」

「毎日あきらめずに机に向かって頑張っていた姿、お母さん見ていたよ」

結果だけを評価するのではなく、プロセス(努力、感情、体調など)も丸ごと認めることが大切です。

専門性の原則 =ピンポイント指摘

子どもの脳は曖昧なフィードバックでは「どの回路を強化すればいいか」を学習できません。
声かけでも特定の行動をピンポイントで言語化することで、その行動が脳に深く定着します。

「お利口さんだね!」

「お友達に優しくおもちゃを渡せたね。すごく素敵だよ」

「すごいね」「上手だね」も愛が伝わって十分すばらしい言葉です!
「どこがどう良かったのか」を具体的に表現するひと手間でさらに伝わりやすくなります。

個別性の原則 =オーダーメイド

聴覚の処理が得意なタイプ(言葉での説明が響く)や、視覚の処理が得意なタイプ(絵やジェスチャーが響く)など、脳の優位な領域が異なります。
その子の特性にマッチした声かけを行うことで、情報の処理スピードが上がります。

「(みんなと同じようにできない子に)なんでできないの?」

「(聴覚優位の子に)このお歌が終わったら、靴を履こうね」
「(視覚優位の子に)時計の長い針が3になったら、靴を履こうね」

兄弟や周囲の子と比較せず、その子自身の特性(気質、発達段階、興味、体調など)に合わせて言葉を選びましょう。

漸進性の原則 =スモールステップ

脳は難しすぎる課題に直面すると、フリーズ(拒絶・かんしゃく)してしまいます。
逆に少し頑張ればできるレベルの課題をクリアした瞬間、達成感を得て意欲が湧きます。

「今日から毎日1時間勉強しなさい!」

「まずは5分だけ、教科書を開いてみようか」

最終ゴールをいきなり要求せず、小さな目標から少しずつレベルアップしていきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ここまで、幼児期の脳の特性をふまえたうえで、運動(声かけ)原則について解説してきました。

この記事の最重要ポイントを整理して振り返りましょう。

✔ 意識性の原則:理由や目的を子どもが理解できるように伝える
✔ 全面性の原則:結果だけを評価するのではなく、プロセスを丸ごと認める
✔ 専門性の原則:具体的に伝える
✔ 個別性の原則:その子自身の特性に合わせて言葉を選ぶ
✔ 漸進性の原則:小さな目標を提示する

子どもたちにぴったりな攻略法はみつかりましたか?
正しいスイッチを押してあげると、脳の処理速度が向上し、容量も大きくなります。
爆発的なスペックアップが期待できます。

子どもの脳にきちんととどいた言葉は、身体をポジティブに動かす手助けとなり、心を満たしてくれるはずですよ。
いつもの一言にリボンを添えるイメージで、子どもの心にとどける声かけをしてみましょう。

次回はこれまでお伝えした運動の3原理、5原則をつかった声かけ例を、日常生活でありがちなフレーズを例にして整理していきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました!他の記事もぜひチェックしてみてくださいね!

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